当麻寺 當麻寺中之坊写仏道場「絵天井」


<昭和の天井絵>
 大和の古刹・當麻寺(当麻寺・たいまでら)中之坊に残される豪華な天井絵は、先代法印松村実照師と多くの画家たちとの心の交流により生まれたものです。
 昭和はじめの客殿解体修理に伴い、寺に世話になた画家たちの絵の寄進がはじまりました。天井絵の寄進は、昭和4年の前田青邨画伯の「飛鴨」をきっかけに、1人1枚ずつの奉納が徐々に増え、およそ40年の間に、院展、帝展などの党派を超えて99枚の絵が寄進されました。そして、客殿の三間に挙げられ、昭和51年に現法印の実秀師により、金箔の仕上げが完成したものです。

 天井絵以外の寄進では、下村観山画伯、安田靫彦画伯、西山翠嶂画伯らの絵が掛け軸として残されており、霊宝館に収められています。

<平成の天井絵>
さらに平成16年秋、格天井に新たに現代画家45人の作品48点が奉納されました。
東京芸術大学教授中島千波氏の呼びかけにより、党派を超えた人気作家約30人が作品を奉納。また南画の巨匠・直原玉青氏をはじめ日本南画院の理事らも10点の南画を奉納。そして花鳥画の巨匠である日本芸術院会員上村淳之氏の作品も加わり、現代日本画の粋が結集いたしました。
 さらに洋画家による油彩画・アクリル画、仏師による仏画、俳優片岡鶴太郎氏による墨彩画など、ジャンルにとらわれない作品も寄進されました。

 そして平成18年秋には、板彫画、さらには書家・森大衛氏による書「極」までが加わり、幅広い芸術作品が結集する見事な格天井となっています。


●「昭和の天井絵」主な作品


前田青邨「飛鴨」

木村武山「鞨鼓と散華」

北野恒富「つつじ」

青木大乗「蓮花に鷺」

小松 均「鯰」 

中村貞以「蓮」

太田聴雨「能面」荒井寛方「鷺」田中青坪「鳩」

中島清之「紫苑」矢野橋村「鷹」小早川秋聲「荒磯の鵜」 など

●「平成の天井絵」奉納作家
青山亘幹 伊藤彬 上村淳之 宇田喜久子 江尻清音 大野俊明 岡田有功 片岡鶴太郎 金沢徹 河嶋淳司 國司華子 倉島重友 潮見冲天 直原玉青 杉谷彩光 田井久江 高橋直人 田中實紹 土屋禮一 内藤定昭 内藤定壽 中島千波 中野嘉之 西野陽一 野村義照 箱崎睦昌 畠中光享 八田哲 林春杏 林潤一 平岩洋彦 平松礼二 藤本喜代子 堀江春美 町田泰宣 松本哲男 松本勝 村岸良華 村田茂樹 森大衛 森田りえ子 八木幾朗 山本和夫 山本真也 米谷清和 渡邊載方 渡邊勢山 渡辺信喜

 


写仏道場 ◆當麻寺中之坊写仏道場はその名の通り、「写仏会場」「写経会場」としてに使用されています。壮麗な絵天井の下で、當麻曼荼羅に描かれる諸尊の「写仏」や、般若心経の「写経」を体験して頂けます。

通常の拝観は庭園から廊下越しの拝観になりますが、三宅鳳白「御所人形」、小早川秋聲「荒磯の鵜」、吉田善彦「芙蓉」、小川雨虹「文楽人形」などが拝観できます。

◆また、特別公開は4年に一度、寅、午、戌年の秋に行われています。
この期間中は一般拝観者も特別に内陣に上がることができます。(拝観料600円/庭園・霊宝館共通)


◆全150点作品を完全収録した図録が販売されています。<2300円>

當麻寺中之坊の受付所、または、公式webサイト「授与品」のページよりお申し込みください。  



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導き観音 當麻寺中之坊